災害カレンダー

地震はいつ、どこで、どんな状況の時に起こるかわかりません。
この災害カレンダーを通して、地震災害の脅威、そして私たちの大切なものを守るための対策を見つめ直すきっかけにしていただけたらと思います。

このカレンダーは1900年以降の大地震がメインですが、ここであえて1000年以上昔の貞観地震を出しているのは、地震が昔からずーっと私たちにとって身近なものであることを伝えたかったから。
関連性は明らかではありませんが、貞観地震の前後は、各地で地震や火山噴火が頻発していたそうです。

7月

地震詳細 被害の特徴
貞観地震

869年7月9日 貞観11年5月26日

推定マグニチュード8.3-8.6

日本海溝付近を震源とする巨大地震。
死者は推定で約1000人といわれているが、当時の日本の人口が500万人程度だと言われているので、今に換算すると2万人規模である。死者のほとんどが地震によって発生した津波による溺死だとされている。
この年の貞観地震は震源や規模、被害の特徴が2011年の東日本大震災と非常に似ているともいわれている。

北海道南西沖地震

1993年7月12日 22時17分頃

マグニチュード7.8
最大震度5

震源に近い奥尻島で最大20m以上、渡島半島の西岸でも最大7~8mの津波が襲来。
各地で火災も発生しまちは壊滅状態になった。
また「ホテル洋々荘」が土砂崩れに巻き込まれ死者がでるなど、人的被害は死者・行方不明者230人、負傷者323人におよんだ。

新潟県中越沖地震

2007年7月16日 午前10時13分頃

マグニチュード6.8
最大震度6強

死者15人、重軽傷者2000人以上。
液状化の影響で住宅・宅地に甚大な被害が発生し、家屋全壊は1319棟、半壊5,708棟にのぼった。

また16日10時25分頃、東京電力柏崎刈羽原子力発電所3号機変圧器から火災が発生した。火災現場には職員ら4人が駆けつけたものの、現場近くにあった消火用配管が壊れていたことや、地震の影響で地元消防署との電話がつながらず消防隊の到着が遅れたことにより、鎮火までに二時間かかった。
原子力発電所が地震による直接被害を受けるのは国内で初であった。

出典:新潟地方気象台ホームページ
岩手県沿岸北部の地震

2008年7月24日 午前0時26分頃

マグニチュード6.8
最大震度6弱

死者1人、負傷者211人、住家被害全壊1棟、一部破損379棟。
青森県八戸市の市公会堂の大ホール天井が一部剥がれ落ちる被害が発生した。

8月

地震詳細 被害の特徴
2005年宮城県沖地震

2005年8月16日 午前11時46分頃

マグニチュード7.2
最大震度6弱

宮城県川崎町で震度6弱を観測。
仙台市泉区のスポーツ施設で天井パネルが落下し26人が負傷したほか、体育館で天井パネルが落下するなどの被害が発生した。
東北新幹線では数時間乗客が車内に閉じ込められる事態が発生。他にも仙台空港や東北自動車道など多くの交通機関に影響を及ぼし、お盆シーズンということもあり大きな混乱が生じた。

出典:国立研究開発法人建築研究所
国土技術政策総合研究所
『スポパーク松森における天井落下事故の調査報告』
駿河湾地震

2009年8月11日 午前5時7分頃

マグニチュード6.5
最大震度6弱

静岡市駿河区では、地震により書籍の下敷きになり窒息死した女性が発見された。
死者1人、負傷者245人。
構造の耐震対策が進んできていたこともあり、建物の全壊は見られなかったが、石垣の崩落や壁の損壊など半壊や一部損壊の被害は見られた。

9月

地震詳細 被害の特徴
関東大震災

1923年9月1日 午前11時58分頃

マグニチュード7.9
最大震度6

全半壊、焼失、流失、埋没などの被害を受けた住宅は計37万棟。
埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県で震度6を観測したほか、北海道道南から中国・四国地方にかけての広い範囲で震度5から震度1を観測。(※当時の震度階級は震度6までだったが、現在の震度7相当の揺れが起きたと推定されている)
死者・行方不明者は10万5000人以上にのぼる。昼食時だったこともあり火災が各地で多発した。火災による死者は9万2000人弱といわれている。
建物の倒壊のほか、液状化による地盤沈下、崖崩れ、沿岸部では10mを超える津波による被害も発生した。
また鉄道の脱線事故も相次ぎ、神奈川県足柄下郡片浦村の根府川駅では、地震の揺れによって列車が駅舎ごと海中に転落し、100人以上の死者がでた。さらにその後に発生した別の土石流で村の大半が埋没、数百名の犠牲者がでる被害となった。
この地震を教訓とし、1982年からは、9月1日を「防災の日」、また「防災の日」を含む1週間を「防災週間」と定めた。

関東大震災写真帖(桐井製作所 編)/国立国会図書館デジタルコレクションより
鳥取地震

1943年9月10日 17時37分頃

マグニチュード7.2
最大震度6

死者1,083人、負傷者3,259人。
震源が浅いこともあり、激しい揺れによって木造家屋のほとんどが倒壊した。
夕食の準備をする時間帯だったこともあり、地震後には市内16カ所から出火があった。
また液状化によって道路や鉄道の不通被害も出た。

平成15年(2003年)十勝沖地震

2003年9月26日 午前4時50分頃

マグニチュード8.0
最大震度6弱

北海道浦河町では震度6弱の揺れを観測し、北海道を中心に負傷者842人、家屋損壊1703棟の被害が確認された。津波は遡上高で最大4m。
この地震の影響で苫小牧市の製油所でタンク火災が発生。約8時間後に鎮火したが、28日に他のタンクでも再び炎上した。
また特急列車の脱線事故や、釧路市の空港ターミナルビルの大規模天井落下が発生するなど甚大な被害が発生した。

出典:消防庁ホームページ
北海道胆振東部地震

2018年9月6日 午前3時7分頃

マグニチュード6.7
最大震度7

死者44人、負傷者782人、住家被害全壊469棟、半壊1660棟、非住宅被害全壊1165棟、半壊1325棟。
北海道で震度7を観測したのはこの地震が初。震度7を観測した厚真町周辺で大規模な土砂崩れが発生し、住人が巻き込まれて死亡する被害が相次いだ。
新千歳空港では一部天井パネルが落下し壁やガラスの損傷も見られた。
また、大手電力会社の管轄地域のすべてで停電が起こる現象「ブラックアウト」が地震発生後から北海道全域で約11時間続いたが、ここまで大規模な停電は日本で初めての出来事だったため、大きな問題となった。

参考資料

・地震調査研究推進本部「北海道南西沖」
・新潟県ホームページ「新潟県中越沖地震の記録」
・新潟地方気象台「新潟県の地震(津波)災害」
・気象庁「2008年7月24日00時26分ころの岩手県沿岸北部の地震について」
・内閣府「岩手県沿岸北部を震源とする地震について」
・国土交通省「8・16宮城地震」
・地震調査研究推進本部「2005年8月16日宮城県沖の地震の評価」
・気象庁「東海地震に関連する情報 第3号について」
・仙台市ホームページ「静岡県で震度6弱の地震発生!」
・内閣府「報告書(1923 関東大震災)」
・防災科学技術研究所「関東大震災の概要」
・地震調査研究推進本部「十勝沖の地震の過去の発生状況と被害」
・総務省消防庁「平成30年北海道胆振東部地震による被害及び消防機関等の対応状況(第35報)」
・新千歳空港ターミナルビルディング株式会社「胆振東部地震発生における新千歳空港ターミナルビルの被害状況と利用者への対応等について」
・内閣府「平成30年北海道胆振東部地震に係る被害状況等について」