天井の地震対策の設計

KIRII耐震天井と告示771号対応天井の違い

東日本大震災では天井落下による被害が大きく注目され、2014年4月1日には建築基準法が改正されました✎
天井脱落対策に係る一連の技術基準告示(国土交通省平成25年告示第771号他)が施行され、建物内部の地震対策が加速したと考えます。
こちらでは、告示の対象となるのはどんな天井なのか、従来の耐震天井とはどのような違いがあるのかについて桐井製作所開発部のエキスパートによる解説をお届けします✨

特定天井について

平成26年4月1日、天井脱落対策に係る一連の技術基準告示(国土交通省平成25年告示第771号他)が施行されました。(公布:平成25年8月5日)
その中で「特定天井」という新しい用語が定義され、天井脱落対策に係る技術基準に適合することが義務付けられました。

特定天井とは、脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井のことで、
下記5 つの全ての条件に当てはまる天井のことを指します。

  1. 吊り天井
  2. 天井高さ6m
  3. 水平投影面積200 ㎡
  4. 単位面積質量2kg/㎡
  5. が日常利用する場所

定められた検証ルートと試験方法

「特定天井」に該当する天井は、国土交通省告示第771号に沿った方法で耐震化する必要があります 。
国土交通省告示771号での設計は下記のように3つの検証ルートが定められています。
仕様ルート、計算ルートにおいては、接合部の緊結を前提として斜め部材(ブレース)により地震力による天井の振れを抑制し、クリアランスを設けることにより天井材の損傷ひいては脱落の防止を図ることが、基本的な考えとなっています。

出典:国土交通省ホームページ掲載資料

  1. 仕様ルート
     耐震性等を考慮した11個の天井仕様の条件に適合することで検証するもの
     ※天井と周囲の壁との間に隙間を設けない仕様について基準が定められ、関係告示の
      改定がなされています(平成25年5月31日公布)。隙間なし天井の新基準(平成28
      年基準)については、改めて解説いします。
  2. 計算ルート
     天井の耐震性等を構造計算で検証するもの
     (仕様ルートの11個の条件から外れる天井は計算ルート)

・水平震度法
  階数等に応じた一律の地震力に対して天井の安全性を検証する平易な計算方法。吊り天井の水平方向の固有周期を用いずに計算できる検証法
・簡易スペクトル法
  応答スペクトル法(構造躯体の応答を求めた上で天井の安全性を検証する高度な計算方法)の略算法
・応答スペクトル法
  構造躯体の応答を求めた上で天井の安全性を検証する高度な計算方法

  1. 大臣認定ルート
    構造躯体の特性を時刻歴応答解析で検証する建築物について天井の耐震性等を検証
    複雑な天井等仕様ルート及び計算ルートに適合しない天井の耐震性等を、実験及び数値計算で検証

告示771号対応耐震天井とすることが難しい天井

告示771号対応耐震天井は、従来の耐震天井と比べて制限が多いため、より慎重に天井の耐震計画が必要になります。
耐震天井とすることが難しい天井に加えて、注意点を解説します。
※「耐震天井とすることが難しい天井」は、別コラム「KIRII耐震天井の基礎知識」をご覧ください。

段差天井など形状が複雑
天井面の段差のように有害な応力集中が生じてしまう部分を設けないようにすることが求められます。
そのため、段差部分には鉛直方向に1㎝のクリアランスの確保が必要です。
地震時に切り離した天井ごとバラバラに動きますので、斜め部材(ブレース)が多くなる傾向にあり、結果的に斜め部材(ブレース)が必要数量配置できなくなることが考えられます。

防振性能などの他の性能を付加する場合

天井に防振性能を付与する場合、遮音を目的として設置されている天井ケースが多く、 重い天井が想定されます。

更に、防振のために吊り材(吊りボルト)の中間に防振ゴムで柔らかい箇所を設ける方法が一般的で、斜め部材(ブレース)を設置してしまうと柔らかい部分をつないでしまい防振性能が阻害されてしまいます。いくつかの方法が各メーカーから提案されていますが、柔らかい箇所を作らなくてはいけないため、制約は多くなっています。また、天井を支持する梁の接合部に防振効果の期待できる工法を採用し、天井に防振性能を付与する場合もあります。

まとめ

法律は最低限の規制です。
また、特定天井ではなく、定められた検証ルートを通らない場合でも、天井は設計者により安全を確保する必要があります。

当社では、計算書・標準図・施工要領書などを無償でご提供しています。
また、現場に応じて、特記仕様書、斜め部材配置図などの作成支援をさせていただいております。
ご検討の際はお気軽にご相談ください。

⇒詳しくは「内装下地アドバイザリー」

 

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2021.04.26