エントランスホールやピロティの天井の耐震設計ポイント

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新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、地震・台風・豪雨などの自然災害もいつ起きてもおかしくない状況です。

オフィスビルや商業施設の入り口となるエントランスホールやピロティ(軒天)、電車の利用客が多く集まる駅のコンコースなどは人びとが多く立ち入る場所であり、地震や強風から人びとのいのちを守る対策が求められます。これらの天井面には、おもに金属製のパネル仕上げ材を使用します。

このコラムでは、金属製パネル天井の設計上の留意点等について解説します。

 

金属製パネル仕上げの天井とは

金属製パネルとは、アルミ、スチール、ステンレス、チタン、銅などの金属でできた仕上げ材です。
天井材、壁材、床材など様々なところで使用されます。

 

金属製パネルを仕上げ材とした天井は、主にオフィスや商業施設等のエントランス、ピロティ、駅構内のコンコース等に使用されることが多いです。

駅構内のコンコースなどには、一般的な軽量下地材を用いスパンドレルと呼ばれる金属化粧板で仕上げることが多いですが、今回は1M✕2Mなどの大きなサイズの金属製パネルについてコメントしたいと思います。

最近よく採用されている金属製パネルの基本構成としましては、金属パネルの切り板(カットパネル)とフレーム材です。

 

基本構成の参考図

 

金属製パネル天井の設計上の留意点

東日本大震災をはじめとする、近年の地震による天井等の脱落被害を受け、特定天井の天井脱落防止対策の基準文献1)が設けられました。特定天井に該当する例としてオフィスビルのエントランスロビー等があげられます。
金属製パネルですので軽量柔軟な天井ではありません。特定天井ですと、定められた検証ルートによる構造耐力上の安全の確保が求められますので、意匠、構造、設備の各分野の設計者及び施工者が相互に十分な調整を行う必要があります。

これまで、金属製パネルの下地材としての試験データはあまり多くなく、プロジェクトごと設計者や施工者の皆さんが苦労されて対応してきました。

金属製パネルに限ったことではありませんが、仕上げ材の部分や吊り天井の部分に限定して検討を行うだけではなく、躯体との接合部や設備機器との取り合い等についても設計段階で検討し設計図書に反映することが求められます。

 

金属製パネル仕上げの天井に求められる耐震性を確保した試験データ

金属製パネルを仕上材とした天井を効率よく設計するためのデータを提供することを目的として、このたび当社では「耐震Metal天井」を開発しました。

強度試験は、鋼製下地材を用いた在来工法と同様に、吊り材(吊りボルトおよびハンガー)により野縁受けを支持し、野縁受けにクリップを用いて、野縁を取り付ける部材構成とし試験体を組み実施しました。

今後の技術開発の余地はまだ大きいですが、一定レベルの試験データを設計者様に提供できることは、安全・安心を目指す企業として微力ながらお役に立てているのではないかと思います。

 

まとめ

ユニット試験及びパーツ試験を行っており試験成績書の提供が可能です。
そのほか、CAD納まり図、施工要領書等の技術資料も準備しております。
天井下地の耐震性能に関しては現場に応じて強度検討することが可能ですのでお問合せください。

2021.09.01
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