その天井が危ない!未だ起きている天井落下への私たちの備えとは?―天井の地震対策に詳しい防災士が伝える―

その天井が危ない!未だ起きている天井落下への私たちの備えとは?―天井の地震対策に詳しい防災士が伝える―
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建物の構造部分に関わる「新耐震基準」という言葉は一般的にもよく知られていますが、天井落下による被害や危険性は長い間見落とされています。

このことに建物の専門家のみならず、多くの人が気づき、早急に「いのちを守る対策」として検討される必要があると考えています。

では万が一の天井落下に備えて、私たち自身ができる「いのちを守る対策」とはどういったことなのでしょうか。

例えば、私たちは仕事、学校、買い物、外食など、日ごろ人が集まる施設を訪れる機会が数多くありますが、こういった施設では地震の揺れによる天井落下が未だ後を絶ちません。

このため、外出先で地震が起きた時、まずどう行動したらよいか知っておくことが対策の1つとなります。

 

地震はいつどこにいる時に起きてもおかしくない

気象庁が公開している地震のデータ*1で調べてみると、過去5年の震度5弱以上の揺れを伴う地震は合計53回発生しています。
それを曜日別、時間帯別でみてみます。

気象庁ホームページの統計より作成(2018.3~2023.2)

気象庁ホームページの統計より作成(2018.3~2023.2)

曜日別では木曜日が最も多く、次いで金曜日、土曜日となっています。
時間帯別では、15時台が5回、次いで、18時、22時、23時、0時、2時台でいずれも4回でした。

こうしてみると、地震は平日・休日、そして昼夜を問わず、発生する恐れがあると言えます。

地震は、私たち、そして私たちの大切な人が、いつどこにいる時に起こるか分かりません。
自宅にいる時に地震が起こることを想定されている方は多いと思いますが、それだけではなく、外出先でどう行動したら安全確保に繋がるのかも、あらかじめ知っておくことが大切です。

 

地震の揺れによる天井落下は未だ起きている

地震の揺れによる天井落下は、2001年の芸予地震から確認されています。
その後、2005年の宮城県沖地震、2007年の能登半島地震でも天井が数多く落下しました。
2011年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、ホールの天井崩落事故によって死傷者が出ています。

この地震では天井落下による被害状況が調査されていて、それによると、部屋の大きさや天井高さに関係なく天井落下したことが報告されています。

こういった被害や調査報告があったにもかかわらず、2016年の熊本地震、2019年の山形県沖地震、直近では2022年の福島県沖の地震でも天井落下が確認されています。

 

今も天井落下のリスクを抱える空間が数多く存在している

KIRIIが、業界初の地震からいのちを守る天井「KIRII耐震天井」の販売を開始したのは2006年のことです。
このため、それ以前に竣工した建物は天井の地震対策が施されていない可能性が考えられます。
※竣工後に改修・補修工事などで対策されている施設もあります

また、東日本大震災での被害をきっかけに建築基準法施行令が改正されたことで、2014年4月からは新築や大規模改修する施設の「特定天井」にあたる天井には脱落対策が求められるようになりました。
これによって一定規模以上の空間の天井の安全が確保されるようになった一方で、その規模には満たない施設(条件に当てはまらない、例えば一般的な天井高の空間や、廊下、会議室、トイレなどといったそれほど広くはない空間、または既存建物など)の天井は未対策のままになっていることが多く、未だ天井落下のリスクを抱えています。

なお、6m未満の天井高さの空間は一定規模には入らないとされていますが、東日本大震災での天井脱落被害の報告によれば、被害を受けた場所のうち1/4以上は5m未満の天井高さの空間でした。*2


▼きっかけは2001年の地震被害。いのちを守る天井「KIRII耐震天井」の開発秘話
KIRII耐震天井の開発ストーリー(桐井製作所 企業サイト)

▼特定天井とは?その条件と求められる天井脱落対策を解説
【コラム】KIRII耐震天井と告示771号対応天井の違い

 

身の安全を確保するために、私たちはどのように行動すれば良いのか?

地震大国と言われる日本では、いつどこにいる時に地震が起きてもおかしくないなか、施設での天井落下は未だ起きています。

しかしながら、外出先の施設の天井が地震対策されているかどうかは、室内からの見た目だけでは建物の専門家であっても分かりません。
このため地震が発生した時、私たちが身の安全を確保するには、天井落下リスクの高い場所を避ける必要があります。

では落下リスクの高い場所とはどこなのでしょうか。
実はそれは天井の形によって異なるため、それぞれの空間によって様々です。
このため、とっさに落下リスクの高い場所を避ける行動をとるには、どのように天井が落下するのかを知ることが非常に重要です。

天井落下のメカニズムと、外出先で地震が発生した時に私たちがまず取るべき行動を別コラムで解説しますのでぜひご覧ください。
施設の維持管理や建物計画および設計に携わる方に向けては、対策方法もお伝えします。

▼外出先で地震発生!とっさに取るべき行動とそのために知っておきたい天井のこと
【コラム】天井落下のメカニズムと施設の安心・安全につながる対策とは?―天井の地震対策に詳しい防災士が伝える―

 

参考文献
*1
気象庁データベース検索(https://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.html
*2国立研究開発法人建築研究所「No.193号(2019(平成31年) 3月)「東日本大震災における地震被害を踏まえた吊り天井の基準の整備に資する検討」2.地震による天井の脱落被害」2019,3

2023.03.06
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