照明器具の地震対策

村松 洋輔 様(コイズミ照明株式会社 店舗施設商品部 企画室 室長)
照明器具の地震対策
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南海トラフ地震や首都圏直下地震などの大規模地震の発生が懸念されているなか、全国において地震は繰り返し発生しています。
2021年2月の福島県沖を震源とする地震では、天井の損傷のほか照明器具の部品の落下や損傷など照明器具に関する被害が報告されています。照明器具は天井に設置することが主であり、照明器具の地震対策は重要なポイントと考えています。

このような状況において、照明器具の地震対策に取り組まれているのが、住宅、店舗、施設など建物用途に応じて、あかりで快適な空間を創り出すコイズミ照明さんです。
今回は、照明器具の地震対策の重要性やこれから求められる機能・性能についてコイズミ照明 店舗施設商品部 企画室 室長 村松洋輔さんにお話を伺いました。

 

建物用途別に定められた照明器具の地震対策

―――照明器具の地震対策の重要性をどのようにお考えでしょうか。

地震の揺れに対する耐震強度は、天井への設置が主である照明器具において非常に重要な品質項目となります。

照明器具分野では、日本照明工業会規格の技術資料A127「照明器具の耐震設計・施工ガイドライン」にて、照明器具区分・施設区分ごとに耐震クラス性能の指標が定められています。

「災害応急対策活動に必要な施設」、「避難所として位置づけられた施設」、「人命及び物品の安全性確保が特に必要な施設」は特定の施設区分に位置付けられます。
上記の特定の施設区分にて主となる体育館に使用される照明器具は最高位の耐震クラスS2性能への適合が求められ、当社においても、耐震クラスS2(設計水平震度:2.2G、設計鉛直震度:1.1G)にて評価試験をクリアした照明器具となっております。

また、一般社団法人 日本照明工業会JIL5004:2021 公共施設用照明器具においては、オフィス照明に多く採用されるシステム天井用照明器具へ落下防止措置の施行が定められています。当社システム天井用照明においてもTバーシステムへ簡単に取り付けられるTバーフック形状でありながら、落下防止措置を施した構造設計を採用しています。
同様にダウンライトなど埋め込み形の照明器具では、器具質量が1.5kgを越え、3kg以下のものは脱落が防止できる構造とし、器具質量が3kgを越えるものについては、吊りボルトに取り付けられる構造でなければならないことが定められており、当社製品も全てこれらを順守した照明器具となっております。

上記の通り、地震発生時の照明器具の落下は人の安全を脅かす事案として、照明器具の設計においても重要視する部分となります。

 

"あかり"で避難時に人びとを安全・安心な空間に導く

―――天井の崩落と深い関係性をもつ照明器具。これからはどのような性能・機能が求められるのでしょうか。

地震の揺れに対する耐震強度等の安全面の視点は勿論重要ですが、照明器具の持つ性能特性上、避難~避難生活などの災害時の可視をサポートする重要な役割を担っています。

2020年4月には<エリア防災照明>として、非常時に安全・安心に避難ができるよう、『家から屋外への移動』『家から避難場所への移動』『避難場所での活動』『避難所での生活』に対して、一般社団法人日本照明工業会による基準が、『住宅用非常灯』、『屋外用非常灯』、『ソーラーライト』などの照明器具に制定されました。

住宅用非常灯では、落ち着いて避難準備ができ、安全に避難ができるよう、最小照度を1lx、蓄電池の点灯性能を30分の基準に定め、家から屋外への移動をサポートします。

屋外用非常灯では、避難に問題の無い最小水平面照度を0.1lxに定め、東京都の避難圏域である避難所までの避難距離3km以内の移動に必要な時間を3時間と推定し性能規定をしています。

ソーラーライトは、避難場所での活動を支援する目的で、1.0lx以上の照度基準や12~14時間の有効点灯時間の他に不日照日数2~4日未満にて4日の点灯が可能な性能を規定しています。

当社では業界に先駆けて既に10アイテムの<エリア防災照明>を発売しております。今後もバッテリー駆動ができる照明や給電出力が可能な照明など避難生活や災害時の生活支援が出来る照明器具の開発も検討しております。これらの商品開発により、災害の多い日本でも人々が安心・安全に過ごしていくことができる一助になる事が出来ましたら幸いです。

 

 

照明器具は住宅、オフィスなど生活する空間に存在します。地震が起きたとき、上から落下しないように地震対策がされているかどうか、確認すべきポイントです。
また、地震発生時に停電になることが考えられ、避難する際に非常照明が備わっているかを確認することが必要であると、あらためて考えさせられました。

照明器具の地震対策の重要性、避難時の必要性を、より多くの方に知っていただければと思います。

 

2022.02.15
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