天井の地震対策の設計とは?

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既存の天井の耐震化を進めるためには、まず現状を把握するための天井裏の調査、次に設計、最後に施工と段階を踏んで進めていきます。

こちらでは、天井裏を調査した後、どのように天井の設計を進めていくのか、桐井製作所開発部エキスパートによる解説をお届けします。

天井を耐震設計すべきか?

天井の耐震設計は、天井に対し「設計者としてどのように安全性を確保するか」から始まります。
その中で、天井を耐震設計するのかしないのかはっきりさせる必要があります。そして、この意思を施主(発注者)と合意することが最も重要だと考えられます。
安全性の確保の方法はいくつか考えられますが、ここでは既存天井の耐震改修を行う場合について記載していきます。

天井の耐震設計の際には、「どのレベルの耐震化を実施するのか」と要求性能を決める必要があります。
また、その要求性能をどのように数値目標にするかも重要です。
そして、その数値目標に対して耐震設計を実施します。

天井の形状が複雑ですと耐震設計の難易度が上がりますので、最近注目されているのが、複雑な形状の天井を回避する動きです。
また、学校の体育館など、天井を撤去するという対策が注目されましたが、撤去することで問題も発生していますので天井に求められる機能については後述いたします。

耐震化の方向性を施主・設計にて決定する

繰り返しになりますが、施主と設計者にて打合せをおこない、どのように安全性を確保するのかの確認が必要です。
設計者が、耐震化をおこなうにあたり施主(発注者)が何を優先するのか意向を確認することがとても重要です。
既設の天井のおもな改修方法については、国土交通省の天井の耐震改修事例集に7つの改修方法が掲載されています。

 

既存天井の耐震改修事例を選定フローとしてまとめると下記のようになります。

 

天井に求められる機能

  • 天井には次のような役割があります

●ほこりやチリの落下防止

●温度・湿度の調整

●防音 等

役割については、当社別サイト「フトコロ・タイムズ」にて詳しく解説しておりますのでご覧ください。

  • 天井を撤去してしまうことで、以下のようなトラブルに繋がるケースがあります
  1. 天井の「吸音性」が無いことによる体育館のトラブル
    ・卒業式で校長先生の声が反響してよく聞き取れなかった
    ・体育の授業で生徒が先生の指導を聞き取れなかった(けが発生)
    ・体育館で音楽の発表会ができなくなった
  2.  天井の「遮音性」が無いことによる体育館のトラブル
    ・建物の外を走る車や電車の騒音で声が聞こえづらい
    ・上空の飛行機やヘリコプターの音がうるさくて声が聞こえない
    ・屋根をたたく雨の音がうるさくて授業にならない
  3. 天井の「区画性能」、「断熱性」等によるトラブル
    ・天井が無くなり空間が広くなって暖房が効かなくなった(プール)
    ・室内の湿気(塩素)等により屋根の鉄骨の錆が進行した(プール)
    ・天井を撤去した為に排煙窓の位置が法適合しない(武道場)

情報提供:日本耐震天井施工協同組合(JACCA)

 

今回は、設計を進める入り口についてお伝えしました。
改修をご検討されている部屋がどのように使われるのか、どの程度の安全性を確保すべきなのかを施主、設計者にて検討いただくことが重要です。

そして、天井の役割を理解した上で、改修方法を設定し天井の地震設計を進めていただければと考えます。

2021.04.26
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